教科書購入票の出力にあたって、問題があった。ある教科書が昨年度の採用教科書と同じであるのに、異なる教科書として登録してあり、昨年度に購入した教科書を重複して買うことになっていたのだ。このことは、ある生徒の申し出から明らかになった。
以前書いたように、本校は完全に単位制で生徒によって使用教科書が全く違う。また受講登録しても欠席時間オーバーで未履修となり、次年度に再び同じ講座を受講する生徒が少なからずいる。そのために、年度初めの教科書販売では、個々の生徒の受講登録データに加えて、昨年度までに購入済みの教科書データを重ね合わせて購入票を作る必要がある。そのデータに一部間違いがあったのだ。
在校生が昨年度までに購入した教科書データは、旧のシステムに入っている。そのデータを取り出して新システムに移したのだが、このとき、旧システムで管理していたコードを変換したのだ。
高等学校の教科書というものは、文部科学省の検定を受けたものであり、教科書会社のコードと教科書のコードの2つで管理している。しかし旧システムでは、採用した教科書を一連の通し番号で管理していた。本校の発足当時は、その管理方法が合理的だと判断されたのだ。ところが数年前から、文部科学省の行う教科書需要数の調査が電子化され、データで提出するように求められるようになり、同時にすべての教科書を一意のコードに決めるということが行われた。文部科学省が決めたコードであるから、これを使わない手はない。そこで新システムでは教科書の管理を、文部科学省の決めるコードで行うこととした。
そのために、旧システムのコードを新システムに移行するとき、文部科学省のコードに置き換える必要が生じたのだ。これが手作業になった。
教科書の名称は単純である。ほとんどの教科書は教科の名前を冠するのだから、そのバリエーションは少ない。余談になるが、英語だけは違う。「All Aboard! English」とか「SUNSHINE English Course」といったように個性的な教科書名が使われる。しかし一般的な教科書名は、その科目名をつけられるので、例えば化学の教科書ならば「化学ⅠB」といった味もそっけもない教科書名となる。しかし教科書も何年かごとに内容を改訂されるので、そのときは「改訂化学ⅠB」とか「新編化学ⅠB」、さらには「新訂化学ⅠB」などと、内容が新しくなったことを何らかの形で教科書名に反映させる工夫がなされている。
ところが、だ。今回、教科書コードの整理を間違った教科書は、教科書名が全く同じであるのにもかかわらず、内容が改訂されていたのだ。それをデータ移行の際に気づかなかった。もちろん、教科書コードを比べると違っているということがわかったはずだが、当然書籍名も変わっているはずだ、という思い込みが災いした。
書籍名称は同じだが、平成19年度から改訂になっていた、ということを見逃したのだ。正直なところ、教科書会社を恨みもした。なぜ全く同じ書籍名なのだ、と。そのために、昨年と同じ教科書を必要とする生徒に、買わなくてよいというデータを与えることができなかった。返本しなければならない。いったい何名の生徒が返本の対象になるのか、を調べた。データベースの教科書購入データをバックアップした後、書籍コードの訂正を行って、さらに教科書購入データを出力し、その差を点検した。すると17名の生徒が対象であることがわかった。人数的にはそれほど多くなかったので、やや、ほっとした。
しかし、その後、こんどは別の教科書で、改訂されているので昨年度の教科書は使えず、同じ講座を受講しても新たに教科書を購入しなおさなければならないケースがあることが判明した。これも教科書名が全く同じケースだった。こちらは返本ではなく追加購入になるので、問題の影響は小さかったといえるが、余計な手間を必要としたことには変わりない。
つくづくデータの移行は難しいと実感した。そして長期間使える「持久力のある」コード体系、データ移行にも耐えうる「意味のある」コード体系を考えることの大切さも身にしみた。